豆知識
保守点検・メンテナンス費用削減
費用の目安
エレベーター停止階数、点検回数、遠隔装置有り、無し、等によっても違いはありますが、 保守点検費用は、 一般的な 6 階~ 10 階建てマンションで、フルメンテナンス契約で 1 基あたり月額 3 ~ 5 万円台、POG 契 約で 2 ~ 4 万円台が相場です。価格帯は、独立系メンテナンス会社のほうがメーカー系メンテナンス会社の 場合より、多少費用が安い傾向にあります。
保守管理費見直しのポイント
  • 1) 一般的にマンション管理会社がエレベーター保守点検の請負元となっている間接契約の場合は、管理委託料を多くとる事を目的に、分譲当初からフルメンテナンス契約で管理組合側と契約を締結し、月日が経っても、そのままフルメンテナンス契約を続けているマンションが数多く見られます。築年数が浅い建物の場合は、管理会社を通さないエレベーター保守会社と管理組合の直接契約にすると同時に、POG契約に見直すべきか検討されることをお勧めします。
  • 2) “POG: 契約が安いから良い” “フルメンテナンス契約が高いからダメ” とは一概に言えないということもあります。
  • 何故ならば、新築と同時に設置されているエレベーターも10年以上経つと、部品交換の費用がかさみフルメンテナンス契約よりもPOG契約の方が高くなる場合も十分考えられるからです。
  • 3) エレベーター保守点検業者を、現在メンテナンスを請け負っているA社からB社に変更した場合、仮にB社のサービス内容や緊急時の対応が不満で再び契約をB社からA社に戻す事が可能かと言うと、A社側から断られる事も多々あります。
  • また、A社が再契約を承諾した場合でも、多額な一時金(現状回復費等)を要求される場合もありますので、覚えておいていただければと思います。
  • 4) 保守点検費用を大きく左右するのが、マンションでの点検が有人点検によるものか、遠隔監視装置による無人機械的点検なのか、その頻度と割合です。
  • 例えば、点検員 ( 有人 ) による点検作業が毎月定期的に実施されているのか、数か月に一度なのかが、メンテナンス費用を大きく左右するポイントです。
  • 点検員による有人点検の回数を減らし、遠隔装置による機械点検の割合を増やせば、おのずと費用は軽減できますが、エレベーターの使用頻度が高い商用ビルや高層マンションではお薦めできません。
  • また、遠隔監視装置はメーカー系会社と独立系会社では、その解釈に大きな違いがあります。
  • 【メーカー系会社】
  • リモート操作が出来るので、社内的には人件費削減にもなっており、点検は 3 ヶ月に 1 回の場合もある。
  • 【独立系会社】
  • あくまで監視機能として、異常を感知する為の目的で設置される場合が多い。
  • 点検は、最低でも 2 ヶ月に 1 回は点検作業を行う。( 基本は 1 ヶ月 1 回 )
  • 以上のことから、エレベーター保守点検の契約内容見直しや、メンテナンス会社の変更を行う際には、事前に理事会・会議等で担当業者から詳しく説明を受けた上で、臨時総会などで出席者から出た疑問や問題点について、納得ゆく説明をし、理解を得られるように準備をしくておいたほうがよろしいかと思います。
  • そして、とにかく、“経費削減” ということだけでなく、エレベーターは安全第一という事は絶対にお忘れにならないようにして下さい。